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「はんなり京都のもなか」の記事一覧
2009年08月26日 最中界最大級!祇園の4色最中「とりどり最中」 京都

梶井基次郎の『檸檬』の中で生き生きと描かれているのが、京都の細い路地。京言葉で「ろーじ」と呼びます。肩幅程度しかない細い路地が、今も京都には多く、その路地の先には意外な名店があったりします。
観光客がひしめき合う四条通りの祇園あたり。京都らしい京紅屋やお香屋、べっこうのかんざし屋が並ぶ四条通りの北側に、小さな「甘泉堂」の看板がかかっています。
ええと、ここねと思って居並ぶ店を眺めても、お目当ての和菓子店は見あたらず。そして見えるのは、ラビリンスの入口のような細い路地。
創業120年になる「甘泉堂」はこの路地の奥に店を構えています。構えるといっても路地の中、軒は低く、間口も大きくはありません。昔ながらの木戸をガラガラと開けると、薄暗いショーウィンドー。
でもそこにならぶ和菓子の数々は、彩り豊かで繊細。わあっと笑顔がこぼれます。

さて、表題の「とりどり最中」はウィンドーにはその名札があるだけ。
注文すると、静かに職人さんが奥へと向かい、ちょっと待たされます。
この最中、注文を受けてから餡を詰めるのです。皮種のパリッとした食感を失わないための配慮です。
こちらやこちらで三色最中を紹介しましたが、この「とりどり最中」は4色。それも手のひらサイズの直径13センチもある巨大さです。
餡は春夏秋冬をイメージした大納言粒餡(春)、緑色の柚子餡(夏)、小豆こし餡(秋)、白インゲンの斗六こし餡(冬)が、4つの仕切りに詰まっています。
皮種には四季の絵柄が焼き印で描かれているため、どこにどの餡が入っていてるのかは、筆文字の説明書きを読みながら、わかるようになっています。
神楽坂の華車は割ると餡がはみ出ていますが、それが乾いてしまうのが、いつももったいないと思っているのですが、こちらは皮でしっかり仕切がされているため、餡が乾く心配もなし。
餡はいずれもしっとりとクリーミー。甘さがやさしく、口の中にじわじわと広がります。
皮種はやや硬めでパリッとした食感。戦時中、甘い物が統制されていた時代にも、この最中は京都を代表する銘菓として作り続けられてきました。それだけ京都に愛されてきた和菓子なのでしょう。
この甘泉堂にはもうひとつ最中があります。
「五しき最中」は、大納言粒あん(白)、小豆こしあん(茶)、味噌あん(薄ずみ)、斗六つぶしあん(桃)、柚あん(緑)と、5色の皮種に5種類のあん。ひとつずつお好きな味を選んでみては。
とりどり最中 1個 525円
■甘泉堂
京都市東山区祇園東富永町
TEL : 075-561-2133
時間 10:00〜22:00
日曜日休
by monako
posted by monako at 13:26
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2009年08月24日 京都三名水でつくる最中 亀屋良長

亀屋良長は、享和三年(1803年〉四条醒ヶ井の地に創業という老舗。
「烏羽玉」という餡と黒糖を合わせたツヤツヤとした和菓子で、その名を馳せています。

京都三名水のひとつに数えられる「醒ヶ井」を持ち、和菓子作りに生かしてきました。店の外に水が出ていたであろう井戸はあるのですが、今は水は流れていません。お店の人に頼むと、ペットボトルなどにお水を入れてくれるようです。
店内には季節を感じさせる多種多彩な和菓子が並び、目移りしてしまいそう。
四条大宮にある本店は、観光地から少し離れているせいか、観光客が訪れることは少ないようで、地元の常連さんたちが、それぞれのお気に入りを目指してやってくるようです。
その店の奥で、ゆったりと構えていたのが、この四角い「最中」。
店の札には「最中」としか書かれていませんでしたが、皮種の柄が「最中」とは読めず、八卦のようでちょっとふしぎ。
店の人に由来を聞き逃したのが残念。
今度訪れた際には、ぜひ聞いておかなければ。

この最中、小ぶりだけれど厚みがあり、皮は歯ごたえのあるもっちりした厚め。丹波大納言のつぶ餡はクリームのようなコクがありうまいのです。
商品数が多く、最中はけしてメインとは言えず、店の片隅にあるのですが、手を抜かず、上質な味わいを保っているあたりは、さすが京都の老舗と感心させられます。
このお店には「光悦 竹もなか」 という、細い竹の形をした最中もあり。
こちらはまだ食べていないので、次回はこちらをゲットしたいと思ってます。
1個158円
■亀屋良長
京都市下京区四条通醒ケ井東入
電 話 075-221-2005
営業時間 9:00〜20:00
休 日 年中無休
by monako
posted by monako at 22:07
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2009年08月24日 新撰組ゆかりの「壬生の誠」 京都

最中にしては凛々しい名前の「壬生の誠」。
封を開けると、刀の鍔が現れます。
この最中を作っている「鶴屋鶴寿庵」を営むのは「八木」さん。
そう、幕末に新撰組が屯所を置いた八木家は、今では和菓子屋さんを営んでいるのです。
最中はその新撰組にちなんで刀の鍔をしているわけ。
粒の大きな丹波大納言を使い、ほおばると小豆の食感がしっかり。この餡の甘みと皮の香ばしさがほどよくマッチ。皮種はやや柔らかめです。
京都の和菓子は全体的に甘めだけれど、これは甘ったるさが口に残らず、後味がいいのです。
八木家の玄関前には井戸があり、この湧き水を菓子作りに使っているせいでしょうか。
この和菓子屋さんにはもうひとつ、新撰組ゆかりのお菓子「屯所餅」があります。大福のように見えますが、餡の中に、壬生の名産「壬生菜」が入っていて、ちょっと塩気があって、なかなかのお味です。
八木家は、新撰組が逗留した当時のままの住居が保存されており、遙か昔、子母沢寛の「新撰組始末記」や司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んだ世代から、大河ドラマ「新撰組」世代まで、多くの見学者が絶えません。
見学者に振る舞われる(見学は抹茶茶菓子付)のが、この「屯所餅」とお抹茶。
けれど、私はネーミングといい形といい、「壬生の誠」のほうが好き。
嵐のような幕末を邁進した新撰組の隊士たちの姿が、この甘い最中の中に、ふと浮かび上がるように思えるのです。
「壬生の誠」 1個147円
■鶴屋鶴寿庵
京都市中京区壬生梛ノ宮町24
営業時間
月曜〜土曜:午前8時 〜 午後7時
日曜・祭日:午前8時 〜 午後6時
TEL:075(841)―0751
サイト
※祇園に近い錦小路には、喫茶も楽しめる支店があります。
京都鶴屋 にしき茶寮
営業時間
午前10時 〜 午後5時30分
(定休日:水曜)
TEL/FAX:075(222)―0565
京都市中京区錦小路通御幸町大日町401-1
by monako
posted by monako at 21:30
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2009年07月22日 ごぞんじ最中 〜京都〜
近年、もなか業界の話題をさらっているのが、京都・「仙太郎」の「ごぞんじ最中」。愚直なほどの正統派最中でありながら、何かが違うんです。
タバコの箱ほどもあるりっぱな大きさの皮種に、ずっしりと重く、はみ出そうなほどのつぶ餡。
この餡が砂糖控えめで、自家農園で原種を育成したという丹波のあずきの風味をよく引き出しています。
豆の旨さと香りが口中にあふれ、ああ、あんこってこんなにおいしかったんだ!!と、驚きと感動をくれます。
皮種も手焼き。一枚一枚丹誠込めて焼かれているせいか、パリッとして上あごにくっついたりしません。
一個でもじゅうぶん満足できる量なのですが、このあじわいが癖になるのか、たっぷり食べてもまた手が出るおいしさです。
残念なのは、しっかり皮が閉じていないので、日持ちがしないこと。
生菓子の感覚で楽しむといいでしょう。
夏場は冷蔵庫で冷やしていただくと、餡が冷たくて小倉アイスの感覚。
邪道かもしれませんが、私の好きな味わい方です。
少し日持ちがする小ぶりな「真最中まっさいちゅう」もおすすめ。お味は変わりませんし、ダイエット中にはこちらで満足できます。
自分であんこを詰めるタイプの「お好きに召しませご存じ最中」ともども、お取り寄せもできます。
●仙太郎
posted by monako at 12:00
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2009年07月22日 わすれ傘 〜京都〜


京都市内は100mに一軒はあるといわれるほど、和菓子店が多い街。公家文化、茶道の本場だけあります。
京都の最中の中でも代表格と呼べるものが、この「わすれ傘」。
知恩院七不思議で知られる、左甚五郎の忘れ傘にちなんで考案された菓子です。
かわいい和傘を閉じた形が他にはないオリジナル。
一瞬、「げげげの鬼太郎」の妖怪が頭に浮かびますが、封を開けると焦がし気味の種のいい香り。
皮種はやや柔らかめで、口にいれると溶けるような食感。頬張ると、しっかりとした甘みのこしあん。皮のビターな香ばしさと甘い餡のハーモニーがいい最中です。
京都駅伊勢丹にも出店しているので、帰りがけのお土産にも間に合います。
●大原女家 monako |
posted by monako at 09:57
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